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YACさがみはら分団 2012年10月 活動報告

10月例会: 「液体窒素を使った低温の実験と炎色反応の実験」
日   時: 10月21日(日)午前10時〜午後4時
場   所: 相模川自然の村・ビレッジ若あゆ
参 加 者: 団員29名、団員家族20名、リーダー8名、見学1名 合計58名

 午前9時半過ぎには自然の村・若あゆに大勢の団員たちが集合、10時に入村式を行って今日の活動を開始しました。
 午前中はクラフトルームでの液体窒素の実験です。液体窒素はマイナス196度の液体で宇宙ではこのような低い温度になるので地上の普通の温度のものがどうなるかを体験するものでした。あらかじめメールで冷やしてみたいものを持ってくるように知らせてあり、お花、果物、ゴムボール、等いろいろなものを団員たちが持参していました。相模原市内には液体窒素を作っている会社があり、その会社から2日前に買ってきたのですが、容器の断熱性が優れていてそれほど減っていませんでした。

 ガラス製のデュワー瓶(二重のガラス瓶の間を真空にしたもの)に容器から液体窒素を注ぐと激しく沸騰するとともに霧のようなものがあふれて流れます。これは常温の容器が液体窒素の温度に比べて高い温度なので、ちょうど水を入れた鍋を火にかけたようになって沸騰するのです。しばらくするとガラスの容器もマイナス196度になって沸騰が収まります。まず活きたバラの花を入れてみました。取り出して手袋をした手で触ると花びらがばらばらになって落ち、手でもむと砕けました。バナナは堅くなって机にうちつけるとき木のような感じになり、プラスチックのボールは床に投げると割れてしまいました。

 次は電池の実験です。電池につないだ豆ランプが明るく光っていたのが電池を液体窒素で冷やすと消えてしまいました。LEDランプをボタン電池で光らせるようにしたものをそのまま冷やしてみましたが、このときは完全には消えませんでした。銅線のコイルと豆ランプをつないで電池で光らせておいてコイルを冷やすと明るさが増しました。これは抵抗が減って電流が多く流れるようになったからで、リニア・モーターカーの超伝導の話もリーダーから聞きました。

 最後は液体酸素の実験でした。試験管に酸素ボンベをつないで液体窒素で冷やすとうすい青色をした液体が貯まります。これが液体酸素でロケットの燃料にも使われています。酸素は窒素よりも液体になる温度が高く、マイナス183度で液体になります。この液体酸素は磁性を持っていて磁石に引き寄せられる性質があります。次におなじ気体でも炭酸ガスはどうなるかを実験しました。試験管の底でなく上の方に白い固体が貯まりました。ドライアイスです。炭酸ガスは液体を通り越して固体になり、その温度はマイナス78度と高いので上の方に固体で貯まるのです。
 

午後は炎色反応の実験をしました。炎色反応というのは金属の化合物を炎に入れると赤色、黄色、緑色などの色がつく現象で、夏の打ち上げ花火の色を出したり、その色によって金属の種類を調べたりするのに使われます。光の色は光の波の長さによって色が違いますが、まず光の色を調べる分光器を作りました。ポテトチップスの空き箱に回折格子フイルムを貼って簡易分光器を作りました。太陽や蛍光灯の光を見るときれいな虹の7色に分かれて見えます。みんな自分用の分光器を作って、それから炎色反応の実験をする野外のバーベキュー場に移動しました。

 ステンレスや陶器のお皿に燃料用アルコールを入れてナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、ストロンチウム、銅、及びホウ酸などの塩類を入れて火をつけます。はじめはアルコールが燃えて無色ですが、だんだん少なくなってくると赤、黄色、や緑色の炎を出します。同じ赤でもリチウムとストロンチウムでは微妙に色が違います。次に味噌汁や貝殻を砕いたものなどを試しました。味噌汁はナトリウムと同じ黄色、貝殻はカルシウムと同じうすい紫色を出しました。この方法は空気中のゴミが最初は一緒に燃えて、付着しているナトリウムが黄色の炎を出して少し混乱しますが、終わり頃になると本来の色が出ます。最後にトーチランプで炎を吹かせておいて、その炎に向かって金属類を入れたアルコールを噴射すると、大きな赤い炎となり団員たちから大きな歓声が上がりました。野外のバーベキュー場なので、このような思い切った実験が出来ましたが、団員たちは強い印象を持ったことでしょう。

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