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9月例会: | 『光の実験』 |
日 時: | 2010年9月19日(日曜) 午後1時〜午後4時 |
場 所: | 青少年学習センター(矢部) |
参 加 者: | 団員 23名、団員保護者 16名、リーダー6名 合計45名 |
9月例会は「光の実験」がテーマです。
1)分光器の製作
光にはその波長に応じた色があり、光をいろいろな色に分けることを分光といいます。プリズムという三角形のガラスを使って屈折で光を分けることはよく知られていますが、今日は回折格子(レプリカフィルム)を使ってかんたんな分光器を作りました。このフイルムは縦、横、斜めに1ミリメートルの中に1000本もの溝が切ってあります。この溝で回折現象という方法で光を波長で分けることが出来るのです。ポテトチップスの空き箱の底に光を取り入れる小さな窓をつくり、フタにも窓を作って回折格子のフイルムをセロテープで貼って完成です。蓋と底には黒いマジックを塗って余分な光が入らないようにしました。
2)作った分光器でいろいろな光を見よう
部屋の外に向かって回折格子越しに空き箱を覗くと底の部分に虹が見えました。この虹は太陽の光を分光したもので、太陽の光は赤から紫まで連続していることがわかりました。では、他の光はどうでしょうか。蛍光灯の光はよく見ると太陽光と少し違うのがわかります。また、白色LEDでは赤・緑・青が強く光っていることがわかります。電球の光は太陽光とだいたい同じでした。トンネルや外灯に用いているナトリウム灯はオレンジ色だけの光で他の色はありませんでした。電球の光もナトリウム灯の光も見た目はともにオレンジ色に見えますが、分光器を使って見るとその違いがはっきりとわかります。さらに、誘導コイルでヘリウムや水素の気体に高電圧をかけて、これらの気体の発光も見ました。これらもナトリウムと同じように特定の色だけを含む光だということがわかりました。
3)目で見える光(可視光)の仲間
光の色は光の波の波長によって決まり、紫の方ほど波長が短く、赤い方ほど波長が長く、私たちが見える光はだいたい400nm(1nmは長さの単位で1ミリの100万分の1)から700nmの範囲だということを教わりました。紫よりもっと波長が短くて私たちに見えない光を紫外線といい、赤よりもっと波長が長くて見えない光を赤外線ということも教わりました。紫外線には蛍光作用があり、ペン形の紫外線ランプを蛍光ペンで書いたものに当てると見えるようになったり、蛍光鉱物や栄養ドリンクの液体に当てると光ることも分かりました。赤外線は空気中のチリに邪魔されないで進む性質があり、団員の安藤君が赤外線センサーで物体までの距離を測る実演をしてくれました。これはロボットチームが取り組んでいる障害物を検出するためのセンサーで、この実験では安藤くんがプログラムを全部自分で書いて実験してくれました。
紫外線よりもっと短い波長の光にはX線やガンマ線などがあり、また赤外線よりもと長い波長の光にはラジオやテレビの電波があります。このような波は光とも言えないので、電磁波(電場や磁場の波のこと)と呼んでいますが、その性質は光と同じで我々が見ている光の仲間です。
4)光の観測から分かった宇宙の膨張(長谷川リーダー)
後半は長谷川リーダーによる「宇宙の膨張」の話でした。分光器で見える色の帯のことをスペクトルといいますが、太陽光のスペクトルには実は所々色が欠けている黒い線(暗線と言います)があり、これは太陽の周りにある原子がその色の光を吸収しているために光が地球まで来なくなって黒い線になるものです。 遠くの星から来る光のスペクトルを調べてみると、同じように多くの暗線があり、しかも本当の位置から赤い方、 つまり波長の長い方にずれています。これをドップラー効果と言いますが、光を出している星が動いているためです。そして早く動いているほどずれが大きいのです。とおい星や銀河を調べてみると、遠い星ほどずれが大きいことが分かりました。つまり遠い星ほど早く地球から遠ざかっているのです。つまり宇宙が膨張していることがわかったのです。低学年の団員には少しむずかしい話でしたが、星から来る光を分光器で調べて宇宙の膨張がわかるなんてすごいですね。
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