相模原グリーンロータリークラブ
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第550回例会週報

549回 | 551回 | 2003-04週報目次
◆美味しいワインを選ぶポイント
中村 昌治 会員

 皆さんはレストランでワインのメニューをみて全く解らずに困った経験はなかったでしょうか。今日はワインについて一般的な視点とは違った角度から良いワインの選び方をお話いたします。

 家が酒屋であったことから、20年程前になりますが、お店の差別化を目指して約2年間日本酒の勉強をしました。次にワインの勉強を始めたのですが、異国の文化・歴史を学ぶことでもありなかなか理解が出来ませんでした。たまたま知人から日本のソムリエの頂点である「岩野貞夫ワインスクール」を紹介され、ワインスクールに通うようになりました。

 岩野氏のワインスクールはワインの商品知識だけでなく、土壌・天候・栽培の分野まで網羅した、他にはないワインスクールでした。ここで岩野氏の紹介をさせて頂くと、日本に3000人以上もいるソムリエの中の、シングルナンバーソムリエの中心人物であり、「日本ソムリエ協会」は岩野氏の知識を日本に広げる為に設立された組織であります。また有名な田崎真也さんを指導されたこともあるようです。

 岩野氏の基本は、日本の酒税法と違いフランス他の先進国には「ワイン法」が存在し、その畑に許された法の範囲の中で、自然を相手に生産者が個性を競い合いながら造り上げた酒がワインであるということです。ワインを知ること=ワイン法を勉強することなのです。

 ワインを勉強し始めるとどうしても飲みたくなるのが、ボルドー地方メドック地区の一級格付けのワインです。しかし、この頂点のワインを美味しく飲むということは大変難しいことです。ワインの95%以上は出荷されてフレッシュな状態で飲むタイプのワインです。出荷されて10年以上も経過してから飲むワインはごくわずかです。また格付けのワインはオークション等で世界中をたらい回しにされているワインも多く、ワインの状態が解りません。ネット等での販売も高価なワインは購入を控えたほうが良いと思います。要するに格付けされているワインでも、状態が悪ければ美味しくないのです。しかしながら、大金を叩いて注文してしまったワインなので、不味いワインの味を、美味しい味と勘違いしてしまうわけです。よくテレビで5万円のワインと2000円のワインをワイン通の芸能人にテイスティングをしてもらうと、2000円のワインの方が美味しいと答える場合が多いのは、2000円のワインは抜栓してすぐに飲み頃になる為であり、5万円のワインは抜栓してからある程度時間を置きある準備が整わなければワインが美味しくならないからです。高級ワインを飲むときには、信頼できる業者から買ったワインをワインの飲み方のよく解る方と一緒に飲むのがベストだと思います。

 ワインは一般的にはその畑の区画が小さくなればなるほど品質・価格ともに高くなります。例えば区画の大きい順から、フランス産ワイン・ボルドー地方ワイン・メドック地区ワイン・マルゴー村ワイン・シャトーマルゴー(個人の所有する畑)となります。これを日本のお米に例えると、新潟産コシヒカリ・魚沼産コシヒカリ・魚沼のAさん所有の田んぼ産コシヒカリとなります。

 また、同じ区画のワインでも世代交代により、ブドウの栽培方法やワインの醸造方法が変わり、品質が大きく変わることもよくあります。したがって、良いワインを選ぶということは、こだわりを持った生産者が小さな区画で栽培したブドウで醸造したワインを選ぶことであります。

 日本のワインはどうでしょうか。山梨県の勝沼は有名なワイン産地ですが、降水量の多いこと、人件費の高いことがウイークポイントとなってしまいます。勝沼の年間降水量は1200ミリ程です。世界の名醸地であるフランスのボルドーでは年間600ミリ程です。降水量が多いということは、日照量不足でもありブドウの糖度が上がらず良いブドウが造れません。もし勝沼の降水量が半分位であったならば、世界的な産地になっていたかも知れません。

ワインを飲むときは
  1. アルコール類の中で唯一、弱アルカリ性である。よって空気中の酸素に触れることにより味が変化する。同じラベルであっても保存状態・酸化の仕方により味が違うグラスに注がれたらグラスを回さない。最近のワインは商業ベースで造られているのでグラスを回すと持たないワインが多い。
  2. 同じ畑名であっても生産者によって単位面積あたりの収量が違うのでワインの品質は違う。フランス ブルゴーニュ地方他
  3. 食前酒=白ワイン(甘口)・シェリー酒・シャンパン 魚料理=白ワイン(辛口)
    肉料理=赤ワイン 食後酒=甘口ワイン・ブランデー・ウイスキーが基本であるが、あまりこだわらなくてよい。
  4. サービスについて
    白ワイン辛口(冷やす)白ワイン甘口(よく冷やす)赤ワインライトボディ(軽く冷やす)赤ワインフルボディ(常温)必要に応じてデキャンタする。同じフランスワインでも北のワインの方が南のワインより低い温度で飲むとおいしい。
  5. レストランでワインをサービスされるときにはグラスを持たない。もう必要ないときはグラスの上に軽く指をのせる。解らないことはソムリエをはじめスタッフに聞く。ソムリエはあまりワインの味を解らない場合が多い。出来ればワインに詳しい人と一緒に飲む。高くて有名なワインがおいしいとは限らない。
  6. 「ボージョレーヌーボー」について
     11月の第三木曜日に解禁される。日付変更線の関係で日本は世界の中でも早く飲むことが出来る。赤とロゼがあり、品質のばらつきがものすごくある。樽入りのヌーボーのほうが味に深みがある。
  7. 「シャブリ」について
     ラベルが解りやすいので入門に適している。特級(550kl)・1級(14,100kl)・シャブリ[村名](10,300kl)・プチシャブリ(320kl)1級のモンマン、モンテ・ド・トネルあたりがおすすめ
  8.  「シャンパーニュ(シャンパン)」について
     一般的には年号が入らない(NV)、出来の良い年のみ年号入りとなる(Vシャンパーニュ)
    村別で特級・1級の格付けがある 特級村(ブージー村・マイィシャンパーニュ村・クラマン村等)シャルドネ100パーセントの場合は「ブラン・ド・ブラン」と表示できる。ピノ・ノワールの割合の高いシャンパーニュがおいしい。「ドンペリ」は格付け外である。
  9. 最後に
     楽しく飲むことが大切だとおもいます。高くても喉に詰まるようなワインは料理に使用して、カジュアルなワインを楽しんでください。ソムリエ用語でワインを評価せず、おいしいで結構です。