相模原グリーンロータリークラブ
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相模原グリーンロータリークラブ
第549回例会週報

548回 | 550回 | 2003-04週報目次
◆日本宇宙少年団 相模原分団について
分団長 澤井 政信 様

 宇宙少年団(Young Astronauts Club)は、青少年への宇宙・科学技術の普及を目的として1984年にアメリカで組織され、現在、世界中で70万人以上が活動している国際的な組織です。日本では(財)日本宇宙少年団(Young Astronauts Club Japan)として、筑波万博を記念して1986年に発足しました。現在日本中で、約140以上の分団があり5000人以上の団員が活動をしています。

 我々の相模原分団は、3年前の2001年9月にこのグリーン・ロータリークラブの皆さんがクラブ設立10周年を記念して、創設して下さったものです。その当時、相模原市には宇宙科学研究所があるのに相模原分団はありませんでした。宇宙研の的川先生のお薦めによるところが大きいのですが、このような記念事業を考えられた当時の会長さん、理事さんはじめ、皆様方の慧眼に敬服しています。

 設立以来、ロータリークラブの皆さんから、多くの金銭的及び人的なご援助を受けながら、今年の9月で満3年を迎えようとしています。毎年5月には分団長会議が開かれ、北海道から沖縄までの分団長が集まりますが、他の分団の活動状況を聞きましても決して見劣りのしない活動をしております。これはひとえにロータリークラブの皆さんのご支援によるもので、感謝しております。分団のホームページもSGRCのサイトを利用させて頂いて塩田リーダーが作成し、充実してきました。

 のちほどスライドで分団の活動の様子をご紹介しますが、ここで、分団の活動方針をご説明させて頂きたいと思います。

 私は昭和20年の太平洋戦争敗戦を旧制高等学校の2年生の時に迎えました。理科の学生でしたので、幸い徴兵は猶予されておりましたが、占領軍がやってきて、「学制改革をして、旧制高校を廃止する」と言い出した時には、友人たちと「これは、きっと日本の優秀な人材を骨抜きにするために違いない」と議論したのを覚えています。具体的な論争は覚えていませんが、その後の教育方針の「平等性」や「最も低い理解レベルに全員を合わせる」、あるいは「ゆとり教育」などの文部科学省の方針が、現在の科学技術の低下を招いたのではないか、と案じている次第です。現に私の親友の大学教授が「ゆとり教育が日本を滅ぼす」という本を書きましたが、全く同感でした。

 世界中の国々の高校生に同じ問題を出して行う国際的なコンテストがありますが、日本の学生は特に数学と物理で、下から2〜3番目の点数であったと先日も報じられました。その反省からと思いますが、2〜3日前に文部科学省がこの4月からは指導要項以上のことを教えても良い、と新しい方針を打ち出しました。

 私のもう一つの経験は、小学校高学年から中学校に入った頃の体験、特に自然現象を見て、あっと驚くような経験が、その後の進路に大きな影響を与えたと言うことです。私は理学部で化学を専門に学びましたが、この道に入ったきっかけは中学の化学教室で色々な薬品を扱って、混ぜると溶液の色が変わることや、塩類を白金線に付けて炎に入れるときれいな色が出る(炎色反応)ことを見て驚いたことを覚えています。また、溶液に試薬を加えたときの沈殿反応で溶液に含まれるイオンを当てたりすることが大好きでした。このような経験がその後の進路に大きな影響をあたえたと思います。

 宇宙飛行士の毛利さんもそうですが、宇宙関係の仕事をしている方に、どんなきっかけでこの仕事を選んだのか、と言う質問に、やはり、子供の頃にあっと驚くような現象を見て非常に感動して、それがきっかけでこの道に進んだ、と答える方が大勢います。

 現在の分団員構成では小学校の中、高学年が一番多いのですが、丁度このような時が一番大事な時ではないか、と思っています。「説明しても分からないから」「まず理論から先に」などの考えでは上のような体験はできないでしょう。今年の育成会総会に際して、団員に例会の印象を聞きましたが、「見たこともないような機械を見せて貰って面白かった」「炎色反応を見て、非常に印象深かった」「レーザー光線で光がどんなところで曲がるかを見ることが出来て、面白かった」などの返事があり、少しはお役に立っていると感じました。

 とにかく、色々な面白い現象を子供に見せたい、と言うのが、今の私の方針です。もう一つの方針は、実験道具は出来るだけ手製で作る、と言うことです。今は、実験用の市販のキットが沢山売り出されていますし、それを利用するのが一番便利ですが、それでは工夫の余地がないと思います。もっとも、このために例会の費用が予定以上にかさむこともありますが。

 宇宙少年団に参加する子供には、大きく分けて「星を見るのが大好き」の天文グループと「ロケットなどの宇宙に関する機械が好き」と言うグループの二つがあるようです。例会の企画もこんなことを考えて立てていますが、天文関係はお天気に左右されることが多くて、何度か失敗しました。「宇宙のことを人よりも多く知っている」いわゆる「宇宙おたく」は作らないようにしており、工作や実験は科学全般にわたるようにしています。

 PCを使って説明する澤井分団長