相模原グリーンロータリークラブ
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第542回例会週報

541回 | 543回 | 2003-04週報目次
◆はげしい雷の季節に備え被害を最小限にする対策
大野 隆雄 会員

 私の職業分類は電気土木、電気工事屋です。だいぶ前ですが太陽光発電について卓話をしました。今回は時間が短いので、簡単に一般住宅の雷対策について話します。

 この辺の地域では特に夏場ですが、はげしい雷が通りすぎた後テレビをつけたらつかなかった、夕方炊飯器のスイッチが入らない、冷蔵庫を開けたら何だか生暖かく様子がおかしい、近くの電気屋さんにみてもらったら操作回路の基盤が焼けていて交換するには2〜3日かかりますなどといわれて困った経験のある方がおられるかと思います。

 これは雷の誘導電流が引込み線などから、家の内部配線に侵入したのが原因と思われます。こんな雷の被害を防ぐ為に、低圧避雷器という装置(器具)の取付けをお勧め致します。これは皆様の御家庭の配電盤に取り付けるもので、ブレーカー2個分のスペースが有れば取り付けられます。では避雷器とは、いったいどういうものなのかご説明したいと思います。身近な避雷器の例としましては、電力会社の送配電線で、変圧器や開閉器等が乗っている電柱に、誘導雷を、防ぐ為に取り付けられているのが確認する事ができます。
 最近では、雷による停電がほとんど無くなっていることにお気づきと思いますが、それはこの避雷器の他、耐電トランスや架空地線に変わる耐電硝子の普及によるものです。その高圧避雷器は、直列ギャップといわれる部分と酸化亜鉛が入った特性要素という部分が何層にも重なりあってできていて、そして通常の電圧がラインにかかっている場合は電流が流れない仕組みになっています。最近では特性要素に酸化モリブデンが使用され直撃雷にも対応できるものが開発されてきて更に信頼性が高まってきております。その高圧配電線路用の避雷器と同じ原理で低圧配電線路に対応したものが、この低圧用避雷器です。

 さて、うちはマンションに住んでいて屋上に避雷針がついているから雷の心配はないですとおっしゃる方がおられるかもしれませんが、必ずしも安心とはいえません。雷の電圧は、数百Vから数万Vで雷によってピンからキリまでの容量の違いがあります。屋上の避雷針に雷が落ちた場合、雷の電流は建物の構造体(柱の中の鉄筋)を通って地中に埋設されているアース板に放電する仕組みになっていますが、避雷針が設置されていても、数万Vの大きな雷が直撃した場合にはアース板に流れきれずに、建物自体の電位(電圧)が著しく高くなりすぎて配電線路にその電流が侵入する逆フラッシュオーバーという現象が起こることがあります。この現象がおこると一般の住宅と同様に配電盤や配電ケーブルの絶縁の弱い部分から雷の誘導電流が侵入して、家の中の家電品や配電盤等に被害を及ぼすこととなります。避雷針による逆フラッシュオーバー現象を防ぐ対策としては、等電位接地といって建物の外周に数ヵ所のアース板を埋設し、それをループに接続して、建物すべての構造体に同じ接地をすることによって防ぐことができます。少し費用はかかりますが、避雷針を付けなければ成らないこれからの建物にはこの等電位接地の方法を是非お勧めです。

 最近では、プラズマテレビ、IH電磁調理器、エアコン、パソコン、電気温水器、冷蔵庫、洗濯機などの大変高価な家電品をたくさん御使いになっていると思います。是非、家の新築、リフォームのときは、この避雷器の設置をお勧め致します。また、弱電には通信用の避雷管、パソコン用ラインプロテクター、同軸ケーブル用の避雷器も合わせて取り付けたら完璧に安全で安心だと思います。

 最後に問題点を申し上げます。何故避雷器の取り付け工事が新築・リフォームの時かと申しますと、この避雷器だけ付けても機能しないからです。雷から保護したいテレビ、冷蔵庫、洗濯機などのコンセントがアース付でなくてはこの避雷器は機能しません、しかも避雷器と同じアース、等電位接地、即ち配電盤からのアースが必要です。今付いているコンセントがアース付きかどうか確認してください。


◆本格焼酎の飲み方
佐藤 和仁 会員

 本格焼酎はお湯割り・水割り・ストレート・ロック等、様々な飲み方で楽しまれています。

 以前は8:2、7:3という濃いものを伝統的な「ちょか」という陶製の酒器に入れ、その酒器に直接火を当てて燗をし、おちょこに入れて少しづつなめるように飲まれておりました。その「ちょか」の中でも黒いものが主流で「黒(くろ)ぢょか」と呼ばれております。

 「黒ぢょか」は400年の歴史を持つ「薩摩焼」の中の黒さつまという鹿児島の伝統工芸が生きづいています。またチョカは、その注ぎ口がイノシシの牙に似ていることから「猪牙(チョカ)」という説と、酒瓶の中国読みでチュカという言葉が琉球王朝時代の沖縄に酎家(ちゅうかあ)と呼ばれ、それが鹿児島の「ちょか」になったという2つの説があるようです。

 この独特の形状は鹿児島のシンボル、雄大な「桜島」を表したものだとも言われています。通常のお湯割とはひと味違う味わいを醸し出してくれる「黒ぢょか」。焼酎通と言われる方の間では今でもこの「黒ぢょか」で飲む方も少なくありません。

●本格焼酎お湯割り
 お湯割はグラス等で飲む場合、お湯から先に入れ、その後に本格焼酎を入れます。お湯と本格焼酎の温度差で、後から焼酎を入れ、お湯の対流作用を利用して混ぜます。

●本格焼酎水割り
 本格焼酎は水より軽いので、水割りにする場合はグラス等には先に本格焼酎を入れ後から水を入れると自然に焼酎と水が良く混じり合います。

焼酎の「甲類」「乙類」の違い
 この二つの区分は主に製法(蒸留方法)上の違いによります。
「甲類」は「連続式蒸留機」でつくった純度の高いアルコールを、水で36度未満に薄めてつくられる焼酎です。無色透明でアルコールのにおいが感じられず、ほのかな甘みと丸味があり、全体として爽快な味わいが楽しめます。「乙類」は「単式蒸留機」で蒸留したアルコール分45度以下のものを指し、「旧式焼酎」とも呼ばれ、古くからつくられている伝統的な焼酎です。主原料となる、いも、米、麦、そばなどそれぞれの素材の味を生かした昔ながらの焼酎で、これを「本格焼酎」と呼んでいます。製法が異なることで、お酒の持つ風味、楽しみ方にも違いがあるといえます。

麹菌の種類
 麹菌の中にはいくつか種類があります。清酒づくりには黄麹菌を使いますが、焼酎製造では主に「黒麹菌」と「白麹菌」の2種類の麹菌が使われています。 焼酎も明治40年代までは清酒と同じ黄麹菌を使っていましたが、冬でも温暖な土地で黄麹菌を使うと、モロミが発酵中に腐敗する恐れがありました。そこで注目されたのが沖縄で泡盛に使われていた黒麹菌です。黒麹菌にはクエン酸の育成力があって、モロミの腐敗防止に大きな威力を発揮します。焼酎原酒の収穫量が増えた反面、作業の途中で黒い胞子があたりに飛び散って、体や衣類を汚すという欠点がありました。ところが大正初期になって、黒麹菌から突然変異で生じた白子が発見されのをきっかけに多くの焼酎でこの白麹菌を使うようになりました。 最近では黒麹が見直され多くの蔵元が黒麹の焼酎を造るようになっています。焼酎製造に使われる麹菌のそれぞれの特徴としては、黒麹菌は芳醇な風味を与え、白麹菌はソフトな風味を与えます。

血栓症予防
 焼酎を飲むと血栓症の予防になるってご存じですか?血栓症は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを引き起こす非常に怖い病気で、血管の中の血塊が原因になっています。本格焼酎の中でも、芋焼酎や麦焼酎が特に効果的で、連続蒸留により純粋なアルコールに近くなった甲類焼酎などは、ほとんど効果が見られないそうです。もちろん、飲めば飲むほど効果が上がるというものではなく、普通にいわれているのは純粋アルコール量で一日当たり30ml程度が適当だそうで、15度のお湯割で飲むとすると、一日一合から二合程度が適量ということになります。

芋焼酎の誕生
サツマイモが薩摩に根付いたのは琉球への伝来から93年も経ってからのことでした。やせた土壌のシラス台地に良く適し、薩摩半島から大隅半島一円にわたり栽培されるようになりました。さらに、享保17年(1732)の享保の大飢饉では救荒 作物として大変評価され、人々を餓死より救いました。 江戸時代に入ると年貢としての米の取り立てが厳しくなり、米は大変貴重なものになってきます。米の栽培にあまり適さなかった薩摩では、貴重な米の代わりに黍や稗、粟などの雑穀類から焼酎を造るようになりました。その中でも重宝されたのがサツマイモでした。サツマイモは台風に強く、やせた土壌のシラス台地に適性を持ち、南国の強い日差しを好むという、薩摩にとってはまさにピッタリの作物でと言えます。そんなサツマイモの普及により、芋焼酎は1700年代中頃に誕生したと考えられています。