相模原グリーンロータリークラブ
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第495回例会週報

494回 | 496回 | 2002-03週報目次
◆コロンビア事故について
宇宙科学研究所 的川泰宣教授

 もう皆さんは事故については大変色々と新聞・テレビでご存知と思いますけれども、なかにチャウラさんという私が2,3度お会いした飛行士もいたものですからちょっと悲しい事故だったですね。
日本の飛行士と一緒に飛んだ方が何人かいらっしゃるので、日本の飛行士達も大変ショックだったようです。
たまたまこの事故の起きた日は、日本にいた飛行士は若田さんだけだったですね。ホシデさんという今訓練を受けている人はいましたけれど、残りは全部ヒューストンにいました。
毛利さんは別ですけれど、毛利さんは科学未来館の館長をやっているので日本にいましたけれども、あとはヒューストンでいろんな調査委員会のワーキンググループというところにずっと配属されてその事故調査の手伝いをしているようです。

 そこのレジメのなかで一番は長すぎるのでやめて、2のスカイラブからスペースシャトルへのところでスペースシャトルの仕組み、これは絵がないのであれなんですですが、皆さんご承知の通りオービタという飛行機のような型をしたものがあってそれが大きなタンクに負ぶさっているような形になってその両側には個体ロケットブースターという打ち上げの時に推力の補助をしてくれるものがあって、オービタ、燃料のタンクそれから個体ロケットブースター、こういう3つの種類のものが抱き合わされてスペースシャトルとよばれている訳ですけれども一般にはあの飛行機の形をしたのもがスペースシャトルというふうに呼ばれているようですね。

 今回オービタ、オービタは人間が乗るもので、オービタのメインエンジンと呼ばれているものの燃料が一番大きなタンクの中に入っています。オービタとそばの個体ロケットブースターというのは回収されてというか、オービタは戻ってくる訳ですが個体ロケットブースターも海で回収されて、また修理して使うというかたちになっています。一番大きいタンクだけが、インド洋の上空で大気圏に突入してそのまま溶けてしまう。これは回収に係る費用が膨大なので、もう作り直した方が安上がりだという理由によるようです。まあ人類が初めて作った宇宙往還機で行って帰ってくるものですので大変高くついているようですけど、それなりに非常に活躍しているという事は言えると思います。テストの状態にしてはもうずいぶん長く、22年目に入りました。非常に長く使っていて、もともと老朽化が叫ばれていた訳ですけれども、このスペースシャトルの後継機で次世代のシャトルはX33とテスト機を経てベンチャースターというものを開発した訳ですけれども次世代シャトルこれはいろいろな原因があった訳ですけれども、液体燃料のタンクの開発これは材料の開発が思うようにゆかなくて、それで開発が中断されました。

 今新しいコンセプトの次世代シャトルが立ち上げかけたところで、これが起きたという事で旧世代のシャトルが老朽化していて次世代のシャトルはまだ出来ないという事とその狭間で起きたという事で大変不幸なタイミングだったと思います。

 アメリカは次世代シャトルに大変なお金を使おうと思っていた訳ですけれども、これで旧世代シャトルの改修もこれから原因究明が終わった後でそういうお金がかかるでしょうからこういう2象面作戦が要求されるということになって、議会で問題になるかどうか分りませけれども、議会の中の宇宙小委員会の委員長さんは、旧世代のシャトルを続けるかどうかという事についても議論をすべきだと、非常に根本立ち返って議論を始めようと姿勢を見せていますしもしも旧世代のシャトルの開発というか改修はもうしなくていい次世代のシャトルが出来るまでは人間はいかなくてもよいという議論になってくると、これは はっきりと国際宇宙ステーションを中止するという計画に繋がりますので非常に大きな選択を迫られるという事になります。

 国際宇宙ステーションそのものは16カ国で協力してやっているものですから、本来であればアメリカが単独で決断を下すものではありませんけれども、これまでの国際宇宙ステーションのその成り行きを見てみるとアメリカは決してよそに相談しない、こういう時に。 勝手に短縮計画これは宇宙ステーションはもっと大きくなる予定だったのがどんどん縮小していって、これはヨーロッパ・日本・カナダという協力国に一切相談なしにどんどん縮小していくヨーロッパやカナダはさすがに猛烈な抗議しそれに対して勝手に縮小するなと協力相手に相談しろというようなことを言った訳ですが、日本はそれをしなかったですね。日本は最初から国際協力というのを始めたら絶対止められないという原則のある国なのでそういうことは言わないで結局間に立つようなかたちで今の国際宇宙ステーションが実現し始めたのもおそらく日本の強力なサポートがあったからだと思いますが、それを日本の弱腰のせいという人もいるし、あるいは主張が毅然としているという人もいるようです。私の評論は差し控えたいと思いますが、そういうことで今まできています。

 今度の場合いろいろある事故調査の推定がやられている訳ですけれども、もう多分ご存知なのは、打ち上げの直後に大きな液体燃料のタンクの断熱材と呼ばれているものの一部が剥がれてそれでオービタの左の翼に当たったことが映像で出た訳ですね、それは非常にあいまいな映像なので私が見る限りはっきりしているのは当たったのが翼の上端ではなくて内側、タンクの側に当たって向こうに向かって跳ね返っているみたいだと言う事は分りました。ただ断熱材そのものは非常に軽いものですので断熱材があれぐらいのものが落ちてもあまり衝撃はないだろうと私は直感的思ったんですけども、ただタンクの廻りの液体燃料というのは高い温度でも摂氏でマイナス180度ですから非常に温度が低くて、間に色んな材料があるとしても氷が張り付く事はけっこうあります。ですから氷と一緒に断熱材も剥がれて落ちてくると結構重くなりますねそういうことを色々推定しながらあの映像を見ていました。

 NASAはその後の発表では、その事は軌道に入ってから軌道に入った後でビデオを再生して気付いた、そこでこれは飛行には影響ないかどうかと専門家チームを集めて10間に渡って議論をした。議論をしただけでではなくて地上でもそれを落下させて実験をやってみたという事です。その結果飛行には影響はないと判断して飛行を続行したと発表しました。ところがその後NASAが、でも他にいろいろと原因が考えられるけど直接今、手に入るデータからすればあの衝撃がその後のいろいろな状況に変化をつけて帰還の時の事故に繋がった可能性が高いとか、最有力原因だとかというふうな表現をつかってNASA自身が発表したんですね。ほどなくまた訂正してあれは計算とかシュミレーション実験結果、やはりあまり影響はなかったんじゃないかと思うと発表され、また覆返したものですから非常に妙な事になってきた。で日本のマスコミはそれに振り回されるというか、自分が持っているデータはありませんからNASAが発表する度にそっちの方向になってゆくような傾向があった訳です。

 今の時点で断熱材が氷と一緒に落ちたかどうか分りません。落ちた事が何らかのかたちで原因になっているとしたら仮定のものですけれども、そうすると責任が問われるという人はたとえば飛行管制をしていた人、打ち上げの直後の飛行管制をしていた人、それから軌道に乗った後で10日に渡って議論をして飛行の継続に問題はないと判断した人、この二つのグループは多分やり玉にあげられるでしょう。飛行管制というのは、私は無人ですけど人工衛星の打ち上げの飛行管制というものをずっとやっていましたのでよく分りますが、ああいう事態の時はおそらく対処できないですね。人間が非常にしっかりとフォーマットを決めてこういう時はこうする、もう自動的にやるような訓練をずいぶん積んでも異常な事態が起きてあれ何だろうと考えて納得をしてそれで破壊の指令だとか緊急脱出の指令をする時は最短の時間で5秒かかるんですね、ですからもし5秒以内で決断しようとすると自分が思っていなかった事が起きたら危険かどうかは関係なく直ぐに緊急事態の指令を出すしかないですね。それが起きた 何だろうと確かめる時間を置いたら10秒位の時間は直ぐたってしまいます。これはだから事実上責任が問われる可能性はないではないですけどそれはおそらく大変酷な話だろうと思います。どっちかというとやはり何かぶつかった衝撃事実を認めておいて、いろんな実験をやった結果大丈夫という判断をした人の方が責任があるかもしれません。仮定の話ですけれども それが原因だとはっきりした訳ではありませんから。

 今度の事件を契機として宇宙開発が大変危険なものとしての捕らえ方が広がるのが大変怖くてですね、むしろ我々が日本の子ども達、世界の子ども達に言いたいのは、宇宙開発というのはいかにその命をかけた仕事かという ずっととにかく成功しているとなかなかそういう気運が出てこないですけども、非常に到底人類の宇宙進出の為に命をかけている人達がいる。そういう側面を大いに浮かび上がらせなければいけないんじゃないかという点とそれからもう一つはアメリカが人間を宇宙に運ぶことを中断すると日本人は誰一人として宇宙には行けないという事、その事実は解ってはいたのですけれども目の前に突きつけられたという事を非常に私は感じました。日本のなかで人間を運ぶという技術をこの機会にどう作っていくのかという議論は、私は本気でやらなければいけない議論で、今度のアメリカの事件を決して喜んでいる訳では決してないのですけれども、やはりアメリカが非常に悲しみに包まれているなかで日本人としてそれを前向きに宇宙飛行士たちの死を無駄にしない大変大切な事は我々自身がそういう命をかけた宇宙飛行士たちを選ぶ、そういう技術を日本もそのうち大変大きな貢献者としてやっていけるような宇宙計画を我々は作るべきではないかというふうに前向きにゆきたい。

STS-107(スペースシャトル コロンビア号)
事故調査ステータスレポート

NASAジョンソン宇宙センター(JSC)
2003年 2月15日(土) 午後 2時00分(米国中部標準時間)
2003年 2月16日(日) 午前 5時00分(日本時間)

スペースシャトル「コロンビア号」に搭載されていた姿勢制御ジェットがさらにふたつ、コロンビア号との通信途絶後に噴射されていたことが、通信途絶後に送られてきたデータの解析から分かりました。ヨー軸を制御する他のふたつの姿勢制御ジェットがその前に噴射していたことはすでに分かっていましたが、解析によると3つめと4つめのヨー軸制御ジェットも、機体の制御を維持するために噴射していました。

コロンビア号に搭載されていた5つの汎用コンピュータ(General Purpose Computers:GPC)のうちのひとつが、NASAケネディ宇宙センター(KSC)に輸送された破片の中から見つかりました。このGPCは損傷が激しく、バッテリーはなくなっていました。GPCにはハードディスクが装備されていないため、調査チームはここからさらに情報を引き出せる希望はほとんどないと考えています。

コロンビア号のメインエンジンのターボポンプ1基が、ルイジアナ州フォートポークからほど遠くない場所で回収されました。このポンプは地表から約14フィート(約4m)の位置に埋まっていました。

破片落下地域の西側の境界線は、2月15日早くの時点で、依然としてテキサス州フォート・ワースのちょうど西側のままです。調査チームは、西はカリフォルニア州におよぶ地域で報告のあった破片を引き続き調査しました。破片の捜索は、衝撃波や衝突音があったという報告に基づいて、アルバカーキのちょうど西側、サンディア山脈で行われています。

コロンビア号事故調査委員会(Columbia Accident Investigation Board:CAIB)のハロルド・ゲーマン委員長は、本日、前空軍書記官のSheila Widnallを委員として任命することを発表しました。Widnall博士はマサチューセッツ工科大学の教授です。米国中部標準時間2月18日午後2時(日本時間2月19日午前5時)に、ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて、ゲーマン委員長と数人の委員による会見が行われる予定です。

委員会のメンバーは、本日、ニューオーリンズ近郊のミシュードにあるスペースシャトルの外部燃料タンクの組立工場を訪問しました。委員は2月15日夜にヒューストンへ戻る予定です。