相模原グリーンロータリークラブ
↑ トップページへ ↑

相模原グリーンロータリークラブ
第478回例会週報

477回 | 479回 | 2002-03週報目次
◆「われわれのつとめ 四つのテストとは何か」
遠藤会員
<われわれのつとめ 四つのテストとは何か>
遠藤会員

REMEMBERING HERBERTJ.TAYLOR
テイラーの回顧
THE4-WAYTEST
Of the thingswethink,say or do

四つのテスト
1.真実かどうか? Is it the TRUTH ?
2.みんなに公平か? Is it FAIR to allconcerned?
3.好意と友情を深めるか? Will it buiid GOODWILL and BETTER FRIENDSHIP?
4.みんなのためになるかどうか? Will it be BENEFICIAL to all concerned?

 ハーバード・テイラーは、シカゴのロータリアンで、1939-40年にシカゴクラブの会長、1954-55年度国際ロータリーの会長となりました。ロータリアンならだれもが知っている四つのテストは、彼がクラブ・アルミニウム製品会社の経常危機を救うために考案して好結果を収めたので、他の人々にも四つのテストを分かち合ったのです。

 ここで、1966年に出版された「THE GOLDEN STRAND」(シカゴ・ロータリークラブの内輪の歴史が綴られている)の第16章より彼の物語をご紹介しましょう。

 「1931年、ハーバード・テイラーの職業分類は"雑貨品配達販売"でした。それは、なかなか良い仕事でした。しかしその年、ハーブは不思議な行動をとりました。彼は、莫大な負債を背負って倒産寸前の会社の社長になるために自分の仕事を辞めたのです。その会社はクラブ・アルミニウムといいました。倒産すれば250人の従業員は職を失います。普通なら狼狽するところをハーブは、論理的に改善策を練りました。どのようにしたかをその時彼が書き留めた彼自身の言葉で話してもらいましょう。

『この状況を切り抜けるために、我々は道徳的であると共に強い倫理観を持たねばならない、私は正義の中にこそ力が宿るのだと考えた。もし従業員達にこのことを信じさせることが出来るなら、きっとうまくいくだろう。私は、社内の誰もがすぐ覚えられるような簡単な倫理的尺度が必要だと考えた。そうしたある朝、私は机に頬杖をついていた。しばし後に、私は紙に手を伸ばし頭に浮かんだことを書き留めた?24の語句で。』
 年月が経つにつれ、彼の24の語句が世界中で支持され、魔法のように効き目があるのを目にして驚きは増すばかりでした。それは戒律でも、訓戒でもありません。どちらかといえば、読み手が自分の答えを見つける余地がある易しいけれど厳しい質問です。

 この基本的な心理学が魔法の秘密でした。誰も命令を出してはいない、しかしこれを読んだ人たちはどうしたら立派な人間として行動できるかが示されています。真実、公平、好意、より良い友情、有益は誰でも記憶できるでしょう固くなった頭でも大丈夫です。無意識のうちにそれらは個人の思考や行動のチェックリストとなりました。

 ハーブがそれらを書き留めたまさに同じ日に彼は、それをある特別なことに使ってみました。会社の広告の校正刷りが彼のデスクに届けられました。広告はアルミニウム会社の製品を"世界中でもっとも素晴らしい調理器具"として称賛していました。『そんなことは証明できないし本当ではないかもしれない』とハーブは言いました。彼は広告の責任者を呼び入れ、一緒に最上級という表現を削除し始めました。そしてその後"より良い"とか"一番"とか"最高"とかいう言葉を使うのは止めにしました。製品に関して真実だけを述べました。

 2カ月が過ぎ破産状態の会社はもう一度利益を得ているように見えました。ハーブは4人の部長を部屋に呼び入れました。一人はローマンカソリック、一人はユダヤ正教、もう一人はクリスチャン・サイエンス、四人目は長老教会派でした。ハーブは彼等に24語の言葉を見せました。『この四つのテストは何か自分の信じている宗教の教義や理念に反するものがあるか?』と一人ひとり訊ねました。皆は『いいえ』と答え、四つのテストに賛同して、全従業員に憶えてもらい各自の対人関係に用いてもらうことにしました。『必要な時誰でも使える簡単な四つのテストだよ』と説明されました。

 ファンファーレも、メロドラマもありませんでした。従業員達は、印刷された言葉を手にして暗記しました。易しさが効果的で彼等の興味を引き、その言葉は働く者の倫理的尺度となりました。

 会社はある印刷業者に、驚く程安い価格で大きな注文を出したところでした。注文の品が配達された後でその印刷業者は、見積に500ドルのミスを犯していたことに気がつきました。損害を覚悟の上、業者は会社に損失の一部を補填してもらえまいかと打診しました。
 法律的には、会社はそのミスを無視して利益を得ることができたでありましょう。会社はまだ多くの負債があり、1銭も無駄には出来なかったのです。
 『印刷屋は損失を被るべきです』と1人の重役が言いました。『私たちは誠意をもってやってきました。私たちが負担するものではありません』
 『しかしそれは四つのテストの2.に反します』と別の重役が言いました。『当事者全員にとって公明正大か?』沈黙の一瞬が訪れました。そして最初に発言をした重役の、会社がその500ドル全てを支払うという提案が採択されました。

 クラブ・アルミニウム社の事業は、躍進を続け5年目の終わりには、負債を全額返済したうえ、利益を出せるようになりました。15年後には株主達に大きな利益配当を払いました。社長の四つのテストは観念論ではなく、優れた実際的なものでした。

 シカゴクラブが初めて四つのテストのことを耳にしたのは1939年でハーバード・テイラーがある会合で公演をした時でした。そのおり偶然にシカゴクラブの二人のメンバーが出席していて、彼のクラブ・アルミニウム社の話を聞きました。二人はシカゴクラブで目を輝かせて彼の講演について話し合いました。

 『これは革命を起こすかもしれないぞ』と有名なセールスマンシップの実業学校の校長が真剣に言いました。『長い間アメリカは厳しいビジネス競争の下で生き抜いてきている。それは情け容赦のないものであったし、買い手は、値段をつり上げる大企業合併や独占トラストに翻弄されてきた。しかしこの四つのテストの成し遂げたことを見てみろよ。僕はつぶさに研究してみたんだ。社会的な問題から政治的な問題に至るまで、そして人間生活に関わることなら何でも全部に、驚くほどの効果があって実際使われつつあるんだ。僕たちロータリアンもこれを無視するなんて無理なことさ。』彼の熱意は次々とクラブのメンバー達に広がりました。

 その24語句は印刷され、復誦され、研究され、話題にされ、クラブ以外の人々にも配布されました。『あれは単なる金言ではない』1人のロータリアンがある委員会で言いました。『意味深長で役に立つものなんだ』24の語句に関して意見の一致を見ました。

 ロータリアン達はそれを便箋に印刷し始め、自分のオフィスに掲げ、妻や子供たちが見られるように家に持ち帰りました。それは派手な"キャンペーン"でなく、成長を続ける静かなアピールでした。

 RIはそのテストを承認して瞬く間に北米大陸、それから世界中に用いられるようになりました。世界中の人々はそれを排他的なもの、特権的なものではなく、それは文字通り自らに与えるもの全てのためのテストなのだと認識しています。」

(THE GOLDEN STRANDより邦訳)

(職業奉仕のビデオを放映しました。)