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相模原グリーンロータリークラブ 第639回例会週報 |
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638回 | 640回 | 2005-06週報目次 |
◆「企業の社会貢献活動のトレンド」◆
−CSRの重視から来る最近の変化−
パブリックリソースセンター 岸本幸子 氏
1) 企業の社会的責任(CSR、Corporate Social Responsibility)が企業経営の中核へ
○日本経団連:企業活動において経済、環境、社会の側面を総合的に捉え、競争力の源泉とし、企業価値の向上につなげること
○経済同友会:企業と社会の相乗発展のメカニズムを築くことによって、企業の持続的な価値創造とより良い社会の実現をめざす取り組み
○谷本寛治氏、CPRD:経営活動のプロセスに社会的公正性や環境への配慮を組み、アカウンタビリティを果たしていくこと
なぜ??
○グローバルな持続可能性への危機感→多国籍企業への要請
○環境規制、サプライチェーン、SRI等の影響で、国内・中小企業へも波及
○企業不祥事の頻発、企業存続へ大きな影響
○投融資や許認可基準へのCSR評価導入、ISOでのCSR国際規格化
2)CSRの構造
(1)CSR活動が併せ持つ「2つの側面」
@企業活動に社会的公正性や環境への配慮などを組み込み、様々なステイクホルダーに対するアカウンタビリティを果たしていく「責任」の側面
A現代社会が抱える様々な課題やニーズに対して事業活動として取り組み、社会および企業自身にも新たな価値を生み出していく「創造性」の側面
(2)CSR活動の「3つの領域」
@CSRマネジメントシステムの構築
CSRに関するビジョンや具体的目標の設定、担当組織の設置、PDCAサイクルの形成など、企業がCSRを推進するための体制や仕組みの構築を行っているかどうか
A本業における社会的事業の展開
事業分野の強みを活かしつつ、環境や弱者への配慮を組み込んだ事業や社会的ニーズの高い事業を、ビジネスとして成立させることに取り組んでいるかどうか
B社会貢献
寄付や社員のボランティア活動促進、地域コミュニティへの協力などを通して社会に貢献することに取り組んでいるかどうか
(3)重要性(プライオリティ)、ステークホルダーエンゲージメントの重視
@外的環境のアセス(ステークホルダーの期待)
A内的環境のアセス(企業理念、事業展開の方向性、社会・環境リスクの動向)
B両者のすりあわせとCSR重点分野の絞込み
3)企業の社会貢献の考え方の変化:CSR時代の社会貢献、戦略性の登場
○企業の価値の向上と、社会の新たな価値創造の二兎を追う。
企業価値の向上:株価、企業ブランド・イメージ・評判、企業風土、従業員能力や士気、新しい事業領域・サービス・商品、顧客開拓−−等
社会の価値創造:生活や社会の抱える課題の解決や、質の向上、前進を実現する。
○企業のもてる能力、強み、資源(リソース)を使う
人材、技術力、ノウハウ、事業インフラ(施設、システム等)、ネットワーク、
広報・信用力、資金
○具体的な関わりをもった事業としての展開を重視
Philanthropy→Transaction→Collaborationと変化
○インパクトの重視
それで、社会は、会社は、組織風土は、従業員は、どう変わったのか
4) 社会貢献プログラムの最近の特徴
○ 企業理念やビジネスの方向性と関連性をもつことによって、インパクトを志向
○ 明確な目的をもって、事業として継続展開
○ 従業員の参画重視
○ 計画段階からのNPOとの協働
○ 時限やステップを踏み、評価(効果測定)を行う