相模原グリーンロータリークラブ
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第534回例会週報

533回 | 535回 | 2003-04週報目次
◆私の至福の日曜日
小林 信二郎 会員

 土曜日の夜、娘が「お父さん、麦トロご飯が食べたいね。」と言いました。高校生の娘の言う言葉ではないですよね。
 「よし、明日お父さんが自然薯を掘ってあげるね」と娘に約束をしました。奥さんが言ったら面倒くさいけれど、娘だったら話は別です。
 早速、翌日は朝から、我が家の野菜畑兼自然薯育成地で、予てより印をつけておいた場所で掘り始めました。これが、私の晩秋の楽しみのひとつなのです。
 自然薯は、つる性の茎で、茎は巻き、葉は細長いハート型で、今の時期には黄色く紅葉しています。霜が降りる頃になると茎は枯れてしまうので、夏の間に今年堀ごろ芋に目星を付けておきます。自然薯は茎に一定の間隔で葉が付いていますが、地面から出た茎に、葉がつくまでの最初の一節の間隔が長いものが、大きな自然薯なのです。
 私の自然薯堀の道具は、市販の自然薯堀用の道具を改造したもので、刃を小さく改造して、柄の部分は細く削って軽くしてあり、私自身の手にぴったりのマイツールです。20年ほど前に自然薯堀の名人が使っていた手製の道具をまねて、自分なりに工夫して作りました。
 茎の最初の一節の長さが30cmくらいでしたら芋は1.5?2メートルくらいはあります。まず、茎に対して45度ぐらいの角度でスコップで1mぐらい掘り、芋を見つけます。あとは芋ほり用の道具で丹念に掘っていきます。
 掘っている時はただ無心に掘り続けます。考えることは、この芋はどのように曲がっているかとか、どこまで伸びているとか、ただ今掘っている芋のことのみです。2時間から3時間、腰が痛くなってきても我慢です。慎重に、傷つけないように長い自然薯を最後の最後まで掘りあげたときの達成感は、何ものにも変えがたいものがあります。日々の世知辛い雑事を忘れ、晩秋の高い空の下で無心の一時を過ごす、これが自然薯掘りの魅力です。
 その夜は、この自然薯を、すり鉢ですり、マグロのぶつ切りにかけ、山葵と醤油で山掛けに、そして、残りは、ダシでのばしてトロロにして麦飯の上にのせてあまりかまずに流し込むように食べます。
 「うーん、美味しい!」
家族と、楽しむ夕食が私の自然薯堀の一日の締めくくりです。