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相模原グリーンロータリークラブ 第488回例会週報 |
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487回 | 489回 | 2002-03週報目次 |
◆最近の当社の開発事例 --- 血液バッグカッター --- 田中紘昭 |
私共の会社は、産業用の自動機械を設計・製作しております。オーダーメードの機械が多く、今のような時代なるべく幅広い分野の顧客の要望に応えるべく技術の向上に頑張っているところです。 最近ある製薬メーカーから血液を血液バッグの中から取り出す装置の依頼を受け、10月に納入しました。 自分の仕事のことで恐縮ですが、今日はこれについてお話しをさせて頂きたいと思います。 内容が血液に関することですので、血液そのものについてのお話もしなければなりませんが、幸い当クラブに浮田先生という血液学の権威の先生がいらっしゃいますので、この後先生にお話し頂きたいと思っております。 ご承知のように我が国では、輸血用の血液は100%献血で成り立っております。皆さんが献血しますと、血液は樹脂製のバッグに入れられ全て日赤に運ばれます。採血された血液がそのまま輸血されることはまずありません。厳重な検査を受けた後、輸血用には必要な成分だけ、またそれ以外は血液製剤用として再びバッグに入れられ、輸血用は各医療機関、血液製剤用は製薬会社に送られます。 従って血液をバッグの中から取り出すという作業が日赤でも、製薬会社でも必要となります。現状では取り出しの作業はほとんど人手によっております。一部機械を使っているようですが、大方はハサミを使って人海戦術で行っているようです。 作業環境はもちろん無菌室ですが、なお雑菌の繁殖を防ぐため5℃に保たれた冷蔵庫のような部屋で行われております。血液の生臭い臭いもしますし血液にもまみれます。 今回この装置開発の目的は主に3つあります。
1.このような過酷な作業環境での長時間労働からの作業者の開放です。
2.回収歩留まりの向上です。
3.菌の混入を防ぐことです。 今回の開発のポイントは3つあります。
1.機械化の難しさは袋の形状が多様であること、これに対しては無理な自動化はしないで必要なところは人手にたよること。無人化より省人化を目指しました。
私共の仕事として今回のケースでは、 1. 過酷な環境での作業から作業者の開放 2. 歩留まりの向上により貴重な血液の無駄を省く。 3. 菌の混入を防いで安全な血液製剤製造への一助。 4. 開発にチャレンジすることにより、当社及び関連する会社への仕事の創生。
というようなことで世の中へ少しは貢献出来たのかなと思います。又それが私の職業奉仕であるのではないかと思っております。
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◆血液について 浮田實 |
血液について、輸血に関する事項について述べます。 血液は身体のあらゆる部位に存在しています。このうち血管内を循環しているものを循環血液、脾臓、肝臓などの臓器、および皮下に貯蓄している血液を貯蔵血液といいます。 血液の比重は1,050?1,063で男性のほうが女性よりやや重い、pHは7,3?7,4であります。 循環血液量は体重の約1/13で体重60kgの人は約4.61が血管内を循環しています。 輸血用血液には全血、成分血、および冷凍血があります。全血は抗擬血剤を用いて採血し、4-6℃に保存し、有効期限は3週間です。 輸血には全血輸血、成分輸血および自己血輸血があります。成分輸血は輸血を必要とする患者の約30%は赤血球のみが必要であることから、全血液を赤血球と液体成分に分離し、それぞれ患者が必要とする成分を輸注します。自己血輸血は自己の血液を用いるもので、感染症、免疫学的な輸血の副作用を防ぐために行われます。方法には出血血液を回収し輸血する回収法、手術直前に採血し術中に返血する希釈法、血液を液状保存する貯血法(前途)があります。 近年は赤血球の凍結保存が行われています。これは保存期間がながいため、入手困難な稀な血液型の保存などに行われます。 輸血時にABO式血液型、およびRh式血液型を測定します。Rh式血液型はヒト赤血球で免役したアカゲザルの血清中に存在する抗体を用いて赤血球の凝縮反応を調べ、凝縮するものをRh陽性、しないものをRh陰性とします。 赤血球の寿命は100〜120Eで毎日約1%ずつ入れ替わっています。 |
皆出席おめでとうございます。
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