相模原グリーンロータリークラブ
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相模原グリーンロータリークラブ
第475回例会週報

474回 | 476回 | 2002-03週報目次
◆ゲストスピーカー 青少年の自立を支援する「実りの大地クラブ」
五色塾 小川誠
<青少年の自立を支援する「実りの大地クラブ」>
五色塾 小川誠


1.現代の青少年の問題とどう取り組むか

 ご存知の通り、現在、小学校、中学校、大学を問わず、教育の荒廃と青少年の自立心の無さや心の荒廃は目に余るものがあります。例えば、小、中学生の不登校は既に14万人に近づき、高校中退者も13万を超えました。青少年の無気力、無関心、青年の社会不適応や、就業できない青年も激増しています。いわゆる「ひきこもり」は全国に100万人とも、200万人とも言われています。これらの原因は、物に溢れ、食が乱れ、躾ができない家庭、教育力を失った学校や地域社会、大人社会全体に見られる様々な不正や不誠実などなど、挙げれば切りがありません。犯人探しだけしていても埒があきません。

 そのような青少年は概して、自分を見失い、自信を無くし、人間関係の築き方が分からず、生きる力が相当弱まっています。残念ながら、彼らに生きる知恵と力を与え、精神的、社会的自立を支援する施設や組織は、現在までのところかなり限られているようです。

 さて、五色塾は、生活指導、自然体験、農業体験、群れ遊びなどを通して子供のEQ(人間性と社会性)を養う事を目的とした教育機関です。一方、青空農園は専業農家と市民が協力して造ったユニークな農業生産法人で、無農薬有機栽培による米作りや野菜作りを通して、循環型農業の創造を目指した団体です。この度、五色塾は青空農園の協力を得て、上述の青少年の問題に対する具体的な解決策として、農業体験を中心にして、青少年の精神的、社会的自立を支援する「実りの大地クラブ」を開設することとなりました。

 この青少年自立支援計画は、教育的な側面と社会福祉的な側面を併せ持つ社会的性格の強い活動です。様々な職種の様々な背景をもった人々の関わりによって、青少年の社会経験は豊かになり、精神的自立は早まり、就業や職業選択の可能性も高まることが見込まれます。

 一人でも多くの市民や青少年の問題に関心のある方々がこの計画推進に積極的に関わっていただければ幸いです。

2.将来的な展望

(1)経営形態について
当初はいろいろなリスクを伴いますし、早く立ち上げたいので、五色塾(と青空農園)の営利事業として事業の確立を図っていきます。ただし、その社会的性格を考慮して、将来塾生が増え、規模が大きくなったときには、NPO法人を設立することを考えています。

(2)都市型自然循環農業と都市住民の「農ある生活」の創造に向けて
 21世紀における都市近郊の「農」の価値は大変大きいものがあります。例えば?市民が「農」を楽しむことによって、食や健康、医療問題に新しい解決策が見出されてきます。?生ごみ、剪定ごみなどの堆肥化や有効利用は、循環型社会の一つの要になります。?畑や田んぼは様々な人々の出会い、触れ合いの場となります。?それが「人の雑木林」となって、青少年の社会性を育てる場ともなります。?市内で生産された無農薬有機栽培の野菜や米を市民が食することは健康の増進につながるだけでなく、「フードマイレージ」(食料輸送距離)を最小限にすることでCO2削減に大きく貢献します。?都市近郊に田や畑を維持することで、安らぎのある田園風景が確保され、食糧危機の備えにもなります。?「農」で結びついた人々の間で心の通った経済的行為の尺度として地域通貨(エコマネー)を発行することも可能となるかもしれません。まだまだありますが、このように「農の」果たす役割を見直し、「農」を通して、「人と物が循環する社会」を創造していくことが可能となります。
 このように、五色塾と青空農園は、最終的には都市型循環型社会の構築に貢献したいと考えています。このような活動に賛同し、協力してくださる方を募っています。