相模原グリーンロータリークラブ
↑ トップページへ ↑

相模原グリーンロータリークラブ
第777回例会週報

2008-09週報目次
◆「会員増強について」
金子 英行 会員増強委員長

 年度当初、大見栄をきって10人の増強を考えていると申し上げましたが、現年度を折り返しても、未だ一人も増強できない状況に落胆しております。何とかせねば・・・そう思えば思うほどマイナス指向になる自分がいます。
 100年に一度といわれる経済不況は皆さんもご存じの通りだと思います。大手だけでなく中小零細企業にも影響を及ぼし、会う人毎に早く現状を打破したいといいます。そんな中での増強を考えると、八方塞がりかな?と思ったりもしています。ただ、よく言われることにピンチがチャンスといいます。決して焦らず現状を受け入れ、来るもの拒まずの心境で増強を考えています。ただ何もしなければ来るものも来てくれません。ぜひ、会員の皆様、心当たりの方がおりましたらお知らせください。私も3人ほど会員候補者がいましたが、今はちょっと難しいという状況です。

 さて、私の職場でも不況の影響はじわじわと忍び寄ってきている感じがします。保護者の仕事関係も自動車関係、不動産、サービス、製造業など多種に渡っていますが、お父さんがリストラされ大変なんです。私も働かなければ・・・そこで、預かり保育に子どもを継続的に預けます。という方もいます。少子化で子どもは減って、幼稚園も収入がどんどん減っています。このまま減っていくと私もロータリーどころではないなと思ったりもします。しかし、ピンチはチャンスという発想の転換を今図っています。
 それは、こんな経済状況の世の中だからこそ(気持だけは元気になろう)そう思い、今、こんな事に取り組んでいます。活力朝礼を取り入れました。職員が活力みなぎる職場作りです。職員のモチベーションを高めることです。毎朝、10分間、真剣に取り組む朝礼です。物事を始めるスタートを最も大事にすることです。それは、姿勢正しく整え、大きな声を出し、経営方針や教育方針その他を唱和し、職場の教養を輪読し感想を述べる。
 これは、倫理法人会の朝礼を真似たことですが、形から入り心からできるまでを思い実践しています。活力朝礼で業績は伸びるとは思いませんが、小さなことの積み重ねがやがて大きな力になると信じて実行しています。ロータリーの増強もこんな心境で取り組んでいこうと思っています。


 話は全く違いますが、きょうは臨界期について述べさせていただきます。臨界という言葉を聞くと、つい原発を連想しますが、ちょっと違った視点でヒトや動物の臨界期についてお話いたします。
 私はいまこの臨界期というもの凄い事柄を勉強しながら幼児の教育を行っています。指導方法の転換を図り3年目に入りましたが、子どもの持っている能力の凄さに改めて気付かされました。生まれた子どもは全員(例外なく)何でもできる能力を持っています。しかし、その能力を開花させるには時期があるのです。その時期に環境(学ばせることや体つくり)を与えれば大した努力なくても身につきますが、その時期を逃すと、その後、相当な努力をしないと追いつくことはできないといいます。 
 野球でもサッカーでも音楽家でも一流と言われる人は、皆小さい頃からそれなりの環境におかれ臨界期上手に通りすぎた人たちです。また、遺伝といわれることもよく聞きますが、子どもの能力に遺伝は関係ないといわれています。

 この臨界期について資料がありますので紹介します。
 生まれたばかりの猫の目から外界の光を遮断し、10〜14日間その状態を継続すると猫は完全に盲目化するといわれます。例え遺伝子に正常な視覚を持って生まれてきても2週間以内に光の刺激を受けないと視覚機能を喪失するというのです。動物はそれぞれ親から受け継いだ遺伝子を持っています。しかし、その遺伝情報は刺激がなければ正常に機能することはできないといいます。

 皆様もご存じの(オオカミに育てられた少年)の場合、その少年は話すことは勿論、二足歩行も出来ず、手を使って食べることもできなかったといいます。彼にそういう事を身につける大切な時期に教えることも手本を見せることもできなかったことが理由だといわれています。その大切な時期が臨界期(感受性期)と呼ばれる時期です。臨界期は脳の中で覚えたり感じたりする神経回路(二ューロン)が外からの刺激によって集中的に作られたり、回路の組み替えが盛んにおこなわれる時期です。また、学習を成立させる最も感性豊かな限られた時期でもあります。視覚の臨界期、聴覚の臨界期など、それぞれ動物種のそれぞれの機能には、一生に一度しかない絶対期間の臨界期が存在するのです。

 脳ではインプットが少ない神経回路は脱落してしまい、インプットされる情報が多いほど回路が強化されるというシステムとなっています。臨界期は一生のうちで一度だけです。臨界期までに一度も使われなかった脳細胞は一生必要ないと判断され、臨界期を越えた時点から消滅していく運命となるのです。盲目になった猫は視覚の臨界期に適切な刺激を受けなかったため、脳(大脳皮質視覚野)の神経回路はその眼に対する反応性を失ってしまい、結果として盲目になったといえます。

 人間の場合も同様で、ことばについての臨界期は、生後6ヶ月位から神経回路の組み換えが始まり、12歳前後で終わるといわれています。また五感の中では、聴覚が一番早く臨界期を迎え、胎児の頃からスイッチがオンになるといわれています。他の音と比べることなく音の高さを特定できる(絶対音感)に関する臨界期は3〜5歳から9歳前後までであり、幼少期にしか身に付けることができないとも言われています。

 小脳や大脳が飛躍的に発達するこの時期に、適度な刺激を与え、将来に向けその基礎作りをお薦め致します。年齢や個人差はありますが、子どもにできることを与え、それを着実に身につけ自己の能力を高めてあげるとよいと思います。簡単なことから、まず躾、そして、走ることや柔軟体操、本を読むことや字を書くこと、歌うことや弾くこと、造形活動、友達と競ったり仲良く遊んだりのコミュニケーション能力などです。子どもは正直です。難しいことを与えるとやりません。反対に易しすぎると集中しません。その見極めをするのが、親や教育機関です。祖父母は孫ではなく親にきっかけを与えてみてはいかがでしょうか。