ご紹介いただきました市民活力推進部長の矢島と申します。本日は相模原グリーンロータリークラブの例会にお招き、こうしてお話させていただく機会をいただきまして大変光栄に存じております。
今日は私が所管しております市民活力推進部の紹介と申しますか、PRをさせていただきながら、あわせて私ども事業を是非ご理解いただきまして、願わくば事業にご協力いただけることができたら、そんな下心も持ってうかがいました。
ご案内のように本市は平成22年4月の政令市移行を目指しております。こうした本市の意思といっていいのでしょうか、めざす方向は地方分権という近年の国の大きな流れと大きな関わりがあります。
本市は平成18年に津久井町、相模湖町。翌年の19年には城山町、藤野町と合併したわけですがこれもこれからお話します地方分権の流れと軌を一にしていると言っていいかと思います。少し、このことに触れさせていただこうと思います。
平成12地方分権一括法が施行されました。これは地方自治法を中心に計475本に及ぶ膨大な法改正が行われたもので、国と地方の関係を従来の「上下・主従」から「対等・協力」に転換した『歴史的な改革』(小渕首相)といわれました。その最大の目玉は「機関委任事務」の廃止でした。
また国の自治体への「関与」も廃止・縮減されました。て私どもの事務が自治事務、もしくは受任事務となりました。「自治事務」というのは、地方自治体が自らの裁量によって自主的に行えるようになった事務です。機関委任事務の55%が自治事務になりました。都市計画の決定。農業振興地域の指定。飲食店営業許可。病の院や薬局の開設許可。建築確認。宅地建物取引業の許可。小中学校学級編成や教科書の選定。就学校の指定。身体障害者手帳の交付。また、条例を制定することができるようになりました。
市町村合併。地方分権の推進には、分権の受け皿となる地方自治体の基盤整備が欠かせません。自治体に一定の人口と財政力、行政処理能力がなければ、いくら国から権限を委譲されても使いこなせない。市町村合併にはそうした背景があったわけです。中核市にも同じことが言えるとおもいます。ただ中核市には県から権限が委譲されても税財源の移譲がほとんどないことから資格があっても手をあげない自治体も多いということがあります。
しかし、権限は委譲されたが財源は移譲されていないという課題があります。そうした中、平成19年11月16日地方分権改革推進委員会から平成22年3月に国会への提出が予定されている『新分権一括法案』の「中間的なとりまとめ」が示されました。
その主な内容は以下の通りです。
1 地方政府の確立のための権限委譲 ・抜本的な権限委譲 ・義務付け・枠付け、関与の見直し
2 完全自治体の実現 自治立法権、自治財政権の確立
3 行政の総合性の確保 基礎自治体への権限委譲の推進
4 自治を担う能力の向上 住民・首長・議会の意識改革、職員の資質向上
ここで掲げたことのうち特に4が政令市をめざす本市にとって極めて重要だと考えています。住民・首長・議会の意識改革です。とりわけ住民、市民との協働、パートナーシップ。市民主権をどう実現するかが私ども市民活力推進部に与えられた命題であります。
市民活力推進部は全部で26の課と出先機関で構成されています。このうち市民協働推進課が「自治と協働によるまちづくりの推進」を、文化国際課は国際化の進むなかで外国人市民との協働、男女協働参画課は、男女が公平に家庭、地域、職業生活に協働して参画する社会を目指すなど、部をあげて市民協働に取り組んでいます。市民協働の新たな取り組みとして2008年は、これまで行政が専ら担ってきた公共的事業に市民が主体的に取り組める制度として、「市民協働提案制度」を発足させます。またこうしたNPOを初めとした市民活動を財政的に支援するための「市民ファンド」を創設しますのでロータリアン皆様のご支援を期待しております。
また、市民の活力で市民文化の醸成も図っていきたいと考えております。市内には将来を嘱望される芸術家が活発な活動をしております。相模大野には吉村誠司さんという、院展の同人がお住まいで、昨年は文部科学大臣賞受賞しています。こうした本市の文化活動の拠点となる美術館の建設準備も進めております。市民の力でこうした相模原の文化づくりが推進されるよう重ねて皆様にお願いして私の拙い卓話を終わりにしたいと思います。
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