相模原グリーンロータリークラブ
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第720回例会週報

2007-08週報目次
◆「続・木の話(味覚編)」
安田 正年 会員 


 前回は日本人と木の係わりあい、そして代表的な国産材スギ材、ヒノキ材、ヒバ材の各々の特徴、生息地、用途について話しました。今回は人への効用(味覚編)を含め、その続編を語っていきたいと思います。
  
(1)ケヤキ「欅」 学名:zelkowa serrata 科:ニレ科
  ケヤキは木目が大胆で美しく、強度が大きく、耐久性があるという三拍子そろった良材で、古くは城の建築にも重用されてきた。車の排気ガスに強いことから街路樹にもなり、原宿の表参道にあるケヤキ並木は有名岩手県東根市にある日本一の大ケヤキは高さ35m、樹齢1000年以上といわれています。
  材質は心材(黄褐色〜赤褐色)と辺材(黄白色〜淡黄褐色)の差が明瞭で強度が圧倒的に高い材質です。

  @住まいでの用途
柱、梁などの構造材、階段、棚、床板、門扉、障子、壁板、天井などの造作材、装飾剤に使われて
います。

  A生息地
天然木は本州、四国、九州、特に阿武隈産地、伊豆天城山、奥利根、十和田湖、熊野地方が名産地
宮城県綾営林署管内から産出されるケヤキ丸太は高品質のものとして市場の評価が高い。
現在ケヤキの量が少なくなつており、ニレやセンが代用される事が多い。

 それではここから世界の三大銘木材で「木の宝石」と謳われているチーク材、マホガニ−、ウォ−ルナット等についてお話したいと思います。

(1)チーク 学名:tectona grandis 科:クマツズラ科
  マホガニ-と並ぶ、世界的な高級材のひとつで、飽きのこないしっかりとした木目、そして数々のメリットをも つ優秀な材質は、まさに銘木の中の銘木と呼ぶにふさわしい材である。かっては豪華客船クイ−ン・エリザ ベス2世号のブリッジや内装にも使われていました。
  材質は良質のタ−ルが含まれていて鉄の腐食を防ぎ重硬で酸化、腐食しにくく、虫害や水湿にも強い。   心材は金褐色、褐色、赤褐色など、装飾的な価値が高く辺材は黄白色です。

  @住まいでの用途
装飾的な価値を利用し、化粧単板あるいはムクで造作材や内装材に使われています。

  A生息地
インド、ミャンマ−、タイ、インドネシア、雨緑林地帯。木材としての価値が高いため造林が行われて
います。

(2)マホガニ- 学名:Swieteniia macrophylla 科:センダン科
  世界の代表的な銘木のひとつで、家具といえば欧米では最高級の材とされている。日本でいえばヒノキやキリに当たる存在といえます。
  材質はやや重硬で加工がしやすく、寸法安定性に優れ、耐朽性もかなり大きい。心材は淡桃褐色〜暗褐色で金色の光沢をもち、経年とともに濃色に変化する。辺材は白色〜淡黄色

  @住まいでの用途
造作材、内装材、建具、高級家具、化粧用単板

  A生息地
メキシコ南部から、コロンビア、ベネズエラ、ペル−、ボリビア、ブラジル

(3)ウォルナット
  クルミ科クルミ属の樹で材質の特徴として、木肌の色合いと木目の美しさ、そして時を経ることに深まる風合いが多くの人々の心を捉えています。
  ウォルナットのなかでも特に最高級銘木として有名なのが、ブラック ウォルナットで北アメリカ東部に生息し強度があり、くるいが少なく、装飾などのを施すための加工性も良いなど総合的な材質のバランスにすぐれていることがあげられます。

  @住まいでの用途
高級家具、楽器、建具造作、床材

  A生息地
東南アジア全域、日本、南北アメリカ、ブラジル

 次に生活用品の木「味覚編」についてまな板から話したいと思います。

(3)まな板
 古くは俎(まないた)を「末奈以太」と書いていましたが、魚を「まな」と読み「真魚板」「魚板」とも書いたそうです。
まな板は箸を使う日本・中国・朝鮮の地域に限られ、刃物を損傷しない点で木製が使われてきました。
 日本ではホオノキがまな板として最も適した材で、その他にヤナギ、カッラ、ヒノキ、モミ、トドマツが使われています。  
 合成樹脂製としてはポリエチレンが普遍的に使用されていますがエラストマ−が耐候性、耐油性、耐摩耗性に優れまた抗菌剤の添加も可能で非常に衛生的です。