相模原グリーンロータリークラブ
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相模原グリーンロータリークラブ
第581回例会週報

580回 | 582回 | 2004-05週報目次
◆私の幼稚園経営
金子 英行 会員

 私が幼稚園の仕事に就いて31年、園長になって13年目になりました。
 初めに、今の日本には、就学前の幼児を教育保育する施設として、幼稚園、保育園、企業内託児所、無認可の施設があることはご存知のことと思います。数年前、無認可の保育園での劣悪な保育実態が報道されたことは記憶に新しいと思います。幼稚園は学校教育法によって、集団教育を行う学校として位置付けられています。幼稚園が他の施設と違うところは、一日の教育時間や指導基準、就園年齢、教員の資格、国の所管などが違います。
 大変大雑把ですが参考にして下さい。

 さて、幼稚園の運営は教育と経営をバランスよく同時に行い、両方が同時にうまく回転していくと園は発展し、どちらか一方に偏ってしまうと現状維持か後退を余儀なくされます。最悪の場合は廃園(倒産)してしまうのです。
 私立学校(幼稚園〜大学)は子ども達が来なければ潰れてしまうのです。少子化の今、私学の幼稚園はもとより地方の短大や大学でも青色吐息で必死に頑張っているのです。現に、首都圏にある有名大学でも応募者が減り、受験料収入などは軒並みダウンしていると聞きます。
 このような状況の中ですが、相模原市はここ数年毎年1%位は幼児人口が増えているのです。駅周辺に偏っていますが、このような地域は経営も安定しているように思われ、それ以外では、軒並み園児数のダウンです。ダウン=収入減です。
 私の園もごたぶんにもれず(10年前)は園児の減少に見舞われ一時経営の危機も経験いたしました。その時の教訓を今の経営に活かしています。
 その一端をこれからお話します。
 幼稚園も経営は企業的センスがなければならないと考え、今の仕事は何のために誰のために、そして社会に対してどうしたら貢献できるのかを明確にしたのです。それが虹ヶ丘独自の経営計画書です。今年で10冊になりました。
 経営計画書には、経営理念、経営方針、基本方針、教育理念、教育目標、教育のねらい、杉並学園のビジョン、行事等各種の方針や仕事マニュアルを明確にし(93ページにまとめる)、全職員に理解させ教育や経営を進めています。
 特に、基本方針は内容を具体化し、教員のみならず、事務職、運転手に至るまで徹底している事です。

基本方針 @子ども第一主義
     A環境整備の徹底 
     Bクレーム最優先

 子ども第一主義とは、未来を背負ってたつ子ども達を健やかに逞しく育てることを第一主義として、全てが子ども中心に考え、子どもの為になる事を目指しています。保護者や職員の事は二の次です。特に(躾)は人間として一番大事なことですから徹底して身につけさせるようにしています。内容は、当たり前の事を当たり前にできるまで、頻数の法則で何度も何度も繰り返し繰り返し身に付くまで指導している事です。

 環境整備の徹底とは、規律、挨拶、整理整頓です。今の大人や若者は挨拶ができない人が大変多いですね。社会生活を営む上でこれも最低限できなければなりません。挨拶のできない者は仕事もろくにできないと思います。そこで、本園では(毎日続ける大切なこと)として、@挨拶Aお辞儀B返事C靴を揃えるD椅子を入れる を教職員が率先して行なっています。
 掃除は、見えないところまで徹底して行い磨きこみ、心が磨かれるまで続けます。特にトイレは素手で便器を触れるまでにしています。

 クレーム最優先とは、仕事をするうえで間違いや失敗は誰にでもあります。その失敗や間違い、又、良いと思っていることでも、保護者やご近所の方、業者から指摘されることがあります。そのようなクレームは、本園がより一層良い幼稚園になるための天の声として受け止め、何事をおいてもすぐに対応するようにしています。クレームを大事にすれば、その方は園のファンになってくれるのです。反対に処理を怠ればその方は園を見捨ててしまうのです。そこには園の発展などありえないのです。

 会社を経営されている皆様、経営計画書を作成すると必ず売り上げが増します。

基本はお辞儀から
 今の私たちには何事にも(頑張りぬく勇気)が必要です。
私立幼稚園は経営を強くしないと、良い教員も職場も守れない。その為にはしっかりした職員教育(社会人として、職業人として、人間として)をしなければなりません。
 今の若者は生活習慣が出来ていないと言うが、それは単に学校や職場で教えられていないだけなのです、教えれば何でも出来るのです。職場が本当の社会人教育(人生哲学)を教える、それが一番重要なのです。
 人生哲学を教えてくれた人、それが唯一の師匠である。

先輩は後輩に教える義務がある。
(教育の目的)それは立派な国際人をつくる事です。立派とは=立派になろうと思った人が立派なのです。
(方法)それは礼儀と親孝行です。礼儀の基本は(お辞儀)である。お辞儀により相手に全面的に信頼される。お辞儀は御陰様という感謝を表す。お辞儀に理由などいらない、まずやってみる。親孝行の出来ない者は、良い仕事が出来ない。
(なぜ教育か)それは人間が未完成であるからである。欲望は誰にでもある。社会生活は20%は我慢である。それを知っていれば良い人生が送れるといいます。
(勤労観)人間は何のために働くのか、食うためか。いやいやそうでないはず、仕事を通じて社会に役立つ事です。人のためになった時、はじめて充実感を味わえると思う。そしてそのとき人格も高まるのです。遊びから人格は生まれない。節約は美徳である。生活には(5%)新しいものがあればよい。


まいにち つづける たいせつなこと

あいさつ
 あいてより さきに いう
おじぎ
 あいさつのあとに かならずおじぎをする
へんじ
 なまえをよばれたら はいのへんじをする
くつをいれる
 ぬいだら そろえていれる
いすをいれる
 せきをたったらいれる

◆新潟中越地震について
中村 昌治 会員
1.地震当日
 私は10月23・24日と地元の組合の研修会で、湯田中温泉に1泊2日で出かけておりました。午後4時過ぎには旅館に到着し、その後に温泉に入り、午後6時15分からの宴会を待つ間に、部屋に集まり歓談で楽しいひと時を過ごしておりました。
 午後6時4分前、地鳴りと共に、旅館が激しく音を立てて振動し、8階建ての4階の部屋の中の私たちは、「落ち着け、落ち着け」と言い合うだけで、全く身動きが取れない状況でした。激しい揺れは20秒位続き、ホテルの倒壊・生命の危険を感じました。やっと揺れがおさまり、テレビの地震情報を見ると「小千谷市・震度6強、長野県中野市・震度5弱」と報道されました。間もなく、震度3位の余震が発生し、私にとっては生まれて初めての余震体験となりました。
 数度の余震の後、再び震度5クラスの余震が発生しました。揺れ方は、最初の揺れとほぼ変わらず、揺れている時間がやや短い程度でホテル倒壊等の恐怖感が、再び頭をよぎりました。幸い湯田中は建物等の被害はほとんどなく、予定通りに宴会は始まり、宴会中の午後6時半過ぎにあった震度5クラスの余震を最後に、平穏を取り戻しました。
 宴会が終わり、部屋に戻ると大学時代の友人が十日町市に居ることを思い出しました。当日震源とされた小千谷市から湯田中までは約70km、小千谷市から十日町市までは約20kmと近いからであります。すぐに携帯電話で連絡をとりましたが、回線がパンク状態でなかなかつながらず、十数回目でやっと繋がりました。友人は無事でしたが、ライフライン等の寸断により震源地・各地の震度等の情報が全くつかめていませんでした。

2.地震発生から現在まで
 地震の次の日も携帯に電話を致しましたが、充電出来なかったのか、しばらく連絡が取れなくなってしまいました。やっと連絡が取れたのは4日後の27日でした。そのときはだいぶ落ち着いた様子で、ライフラインも一部回復していました。自衛隊の災害復旧活動により、やっと風呂に入ることが出来たとのことです。
 翌週の11月1日月曜日になると郵便・宅配便の配送が始まりました。1日の午前中に友人に見舞金を現金書留にて送り、同日夕方にカップラーメン・おでんやカレーなどのレトルト食品等を宅配便にて発送致しました。いずれも2・3日で現地に届き、被災地での対応の早さに驚きました。その頃になると非難から復興への動きが見受けられるようになりました。
 私も11月28日の日曜日に十日町市と小千谷市を訪問致しました。現地には上越新幹線の越後湯沢駅でほくほく線に乗り換え、十日町駅からは急行バスにて約40分で小千谷市役所付近まで行くことが出来ます。途中の国道117号線は数箇所が対面通行ですが、おおむね応急工事は進んでおり、一部を除いてほとんど復旧していました。小千谷市内は飲食店・コンビニ・スーパー等ほとんど平常と変わらない様子で営業をしており、「地震に負けるものか」という地域全体の意気込みを感じました。一方、市役所では罹災証明を求める市民が30人程順番待ちをしており、家が倒壊してしまった方、家は残ったものの危険な状態で家に帰ることが出来ない方については、今週中に避難所から仮設住宅に移り、とりあえずプライベートの確保が出来る生活ではありますが、窮屈な生活が始まります。

3.これからの課題
 全国からの義援金は被災地の人々に希望を与えており、引き続きの義援金活動が必要であります。現地で一息ついたのはつかの間で、雪深い冬がやってきます。傾いた家が雪に耐えられるのか、デコボコの道路を例年のようにきれいに除雪することが可能なのかなど、いろいろな課題が残されています。ボランティアについては、現在の話し相手や家の片付けから、雪おろし等の活動が求められてくると思います。
 また、今回の地震の報道により新潟全体が大きな被害を受けている様に勘違いをされている方も多いと思います。スキーやスノーボードを楽しめる、越後湯沢や塩沢・六日町などは、ほとんど被害はなく、これから稼ぎ時のウインターシーズンを目前に、観光客に例年通り来ていただけるのか不安に思っているようです。皆様や知人に新潟を励ます意味でも現地を訪れウインタースポーツを楽しんで頂きたいと思います。
 本年は台風・地震と日本の立地から避けて通ることが出来ない自然災害の当たり年となってしまいました。日本での生活で、自然災害を免れ、日々穏やかに生活出来ることが、逆に不思議なことなのかもしれません。「備えあれば憂いなし」常に防災の意識を持ち、周りの住民との連携をはかり、災害発生時の被害を最小限に抑えるような、日常の心がけ・防災用品の準備などの大切さを改めて感じさせられました。