<青少年交換学生制度運用の問題点>  01/12/19

―2780地区第5分区において―

 当クラブでは2000/2001年度にアメリカ・イリノイ州のモートン高校、2001/2002年度
にブラジル・サンパウロの高校へと連続派遣、逆に2000/2001年度韓国釜山、
2001/2002年度ブラジル・サンパウロの高校から受け入れ予定中であります。この取り
組みを通じて感じた制度運用上の問題点を指摘したいと思います。

1 当地区の通称「新ルール」に対する疑問
(1) 「一分区一名交換」の原則の、意味・意義が不明!
(2) 「各分区で受け入れ必須」義務の、意味・意義が不明!
(3) 各高校宛の公開募集とクラブの予備選考の不整合
以上、地区全体での「員数あわせ」の目的しか感じられない。
受け入れ生徒の諸事情(言語、趣味、部活動、家庭事情)をふまえて、適切な高校
を選択すべきではないのか?ローカル・ルールの限界を感じる!

2 少数会員クラブが増加する中で、費用負担、ホームステイ・ファミリー
 確保等にて、受け入れ困難クラブが散見される。分区全体でのサポート要!

3 第5分区(相模原、城山、津久井、藤野)のように広大なテリトリーでは
 受け入れ高校のロケーションで、更にホームステイ・ファミリーが限られる。
 1クラブで全ホームステイを確保する難しさはここにもある。

4 第5分区での受け入れ中心高校は県立弥栄西高校である。外国語コースの
 ある弥栄西高校との更なる連係は欠かせないが、代替校も必要であろう。
 この点で実績のある県立相模原、麻溝台、相模大野、上鶴間、城山、津久井、
 玉川学園との接触は欠けており、受け入れ余地は少ない。更には無理にお願
 いした(押し込んだ?)後遺症もあると思われる。上溝、上溝南、橋本、相
 原等は現在までノーアプローチである。求めれば、英語圏学生の余地あり!

5 昨今の、当地区の、積極的な「非英語圏からの受け入れ」には注意が必要
 であろう。「英語圏受け入れ」でも内在した問題が拡大しつつある。
 具体的には「最初の三ヶ月対応」等である。「英語圏受け入れ」でも最初は
 日本語学習を“取り出し授業”として、英語の先生がボランティアで実施し
 ていることが多い。しかし「非英語圏からの受け入れ」の場合は、生徒の
 不十分な英語力を媒介して指導するわけで、その悩みは倍加するのである。
 この点当クラブは民間の語学学校で、現地語教師から日本語を学ぶ仕組み
 (最初の三ヶ月+〆)を予定している。
 これ以外にも、学校現場と連係してその目的完遂のための工夫が求められて
 いる。日本文化、社会をどう伝える?

 以上いろいろ申し上げました。これは2001/2002年度ブラジル・サンパウロからの
高校生受け入れを担当した実感であります。
 実は4月から受け入れ高校を探してきているのですが、大変に難航しました。弥栄西、
上溝、上溝南、橋本、麻溝台、相模大野、私立桜美林、上鶴間、私立光明学園、都立松が谷、
私立渕野辺、私立玉川学園と訪問しましたが、断られ続けてしまいました。やむなく座間市の
県立ひばりが丘高校にお願いいたしました。(その結果当RCのみでのホームステイ組み立てが
困難になっています)
 国際交流の重要さは各校十分に御理解されているのですが、「取り出し授業」の負荷と、
非英語であるポルトガル語の壁をなかなかクリヤーできなかったのが現状です。
 きめの細かい、心のこもった、丁寧な運用には、きちんとした見通しと、余裕のある準備、
「始めに予定数ありき!でない計画」が肝要なのではないでしょうか?学校との更なる対話も
必要でしょう。
 しかしロータリーでの、この制度の目的、意義、意味の受け止めにはかなり大雑把なものを
感じます。分区全体での問題把握も不十分です!
関係各位に、もっと「意味への意志を持とう!」と申し上げたい。

PS → 県内で英語以外の外国語を設置している高校は、ドイツ語6校、フランス語11校、
スペイン語11校、中国語14校、ポルトガル語1校、ハングル2校があります。非英語圏
の受け入れの場合は優先して検討すべきではないでしょうか?この点でも分区単位の無理が
あります。